大人の顔のバランス、広角と望遠の話
おはようございます。クニクニです。今週は2枚のイラストを投稿しました。
1枚目は大人な女性のイラスト、Skebのご依頼でした。大人っぽい顔のバランスは私のイラスト歴を通して描いたことがなくて、色々練習してから挑みました。難しいです。
2枚目は、いつもの感じのファンアート、さっぱりした仕上げです。陰影の塗りを少なめにして仕上げにかかる時間を短縮しています。でも線画はしっかり描いて、色分けでくっきり形が出せました。
こちらはちょっと描き足しをしてから各所に投稿しようと思っているのでとりあえず2箇所だけリンクを貼っています。リンク先で高画質でご覧くださいね!
振り返り
イラストを描くごとにつけている復習ノートを見返します。当ニュースレターのおまけです。今回は広角レンズで見たようなイラストの表現について書いたノートを振り返ります。
挑戦のイラストだった。複雑な衣装とレイアウト。この構図を手書きするのは厳しいのでラフに配置を決めてから、ポーザーで資料を作ってなぞった。ポーズ資料に沿っているからカメラを通して見たときの形として間違ってはいないはずなのだけど足元が不自然。ポーザーのカメラ設定の焦点距離を短くしすぎて、やり過ぎな感じ。うーん。でも、この絵の上半分の顔を見上げて胸を見下ろす近距離っぽい広角の広がりは好き。なのに足元がそれに続いてこない。この違和感には清書の前あたりにやっと気づいてしまった。そして、ここまでやったしなんとか完成させねばという思いで描いた。こういう姿勢で描くのはしんどくていけねえや。
次回またこういうイラストを描くとして、違和感を出さないようにするには焦点距離を長くするのが一番手っ取り早い。望遠にするのはイラストの鉄則でもある。気に入っている顔付近の広がりも、アイレベルが顔あたりなら望遠でもほとんど同じように描ける。
縦長の絵を見るとき、全体は一度に目に入らな。縦スクロールの視点で上と下が区切られる。この流れで見てもらうのに望遠は都合がいい。でも広角だと上下で圧縮が大きく変わって不自然になる。
どうしても広角で描きたいとしたら、縮んだところを目立たなくすることで違和感を生じないようにできるかな。今回の絵なら小さくなった足が見える前にスカートの裾くらいで切り取ってしまう。
または、切り取るかわりにその手前に何かしら大きめのものを配置するやり方がある。これは縮んだとこを隠すというのと、不自然な変形の流れを断つということをやる。例えば今回の絵でやるとして、スカートの裾の手前にテーブルの天板を描く。これがあったら、広角レンズの端に向かうにつれ小さくなる流れが絶たれる。一度切れたら、その下に小さい足が描いてあっても不自然さは薄い。今回の絵を経てから広角のイラストを注意して観るようになったのだけど、いいなと思ったものの多くではこうやって流れを切っていることに気づいた。
線画に強弱をつけてみた。ラインウェイトってやつ。いつもはここまでやらずに一定の太さのペンで部品を区切ったら終わりだった。
この絵の線画では、部品が重なっている間や下部を太くしたり塗りつぶしている。こうするとパーツがくっきりするし、前後の重なりが伝わりやすくなる。でも、あまりに小さい部分にしかやっていないので伝わらなさそう。今度はもっと大きくはっきり入れてもいいかな。
自分の絵柄のクセがやっとわかって見えるようになった気がする。というのか、等身や顔の比率が固まってきた。大人っぽい人を書くにも目が大きいな。顔の比率が何を描くにも幼いふうになるので、描き分けできた方がいい。
大変なイラストで、学ぶことが多くありました。この広角と望遠の話は今後も役立ちそうです。
最後にちょろっと大人の顔の描き分けが出来ない、とありました。今週の新しいイラストでばっちりその壁にぶつかっています。これは、近いうちにまた挑みたいところです。
KuniKuni